GUI型遠隔操作プロトコル
システム概要
近年,パソコンの初心者を遠隔から支援するための手段としてリモートアクセス技術が注目されています. この技術は,地理的に離れた2台のコンピュータの内1台が画面を変更する度に別のコンピュータに画面情報を転送し, 逆に画面を受け取った他のコンピュータが転送元を遠隔操作するプロトコルを利用したものであり, 下記応用分野に利用されています.
- 初心者ユーザが困っている画面を指導者が手元に入手して, 同じ画面を見ながら電話等で連絡をしながら操作を代行/指導します.
- ヘルプデスク機能として、製造業,サービス業さらには銀行等にまで数多く導入されています.

しかしながら,近年普及が進んできたファイアウォールやネットワークアドレス変換機能(NAT) を含むルータをユーザ側に配置する場合には, 外部からリモートアクセスを行う手法が確立されていません. また安全性に関する検討が進んでいない等,多くの課題が存在します. 私達は,このようなネットワーク構成においても安全性を損なうことなく遠隔操作を 行うことができる方法について研究を進めています. 私達のシステムは助けを必要とする初心者(クライアント)と支援者(アシスタント)の間に 遠隔サポートサーバを設置し, 初心者がGUIアプリケーションを用いることによってサーバに接続します. 支援者はサーバを介して他のユーザを遠隔操作することができます. 概念図は,2人の支援者が1人の支援者をサポートしている様子を示します.

このシステムは下記の通信技術により実現されています.
- 通信プロトコルのカプセル機能とリレー機能
- 通信プロトコルの暗号化
- ファイアウォールやNATのトンネリング
- アクセス権限の管理
- クライアントとアシスタントに関する仮想化データベース
今後は,さらなる制御の複雑化に対応するため通信プロトコルの高度化を進めます.